亀岡祭とは、鍬山神社の秋季大祭で、その起源は室町時代にさかのぼります。京都の祇園祭と同じく、山鉾が建ち山鉾巡行も行われることから「口丹波(丹波)の祇園祭」ともいわれています。
むかしは、旧暦の9月1日から9月晦日の1ヶ月間行われていましたが、現在は10月1日から10月31日の1ヶ月間行われています。
メインは、宵々山(10月23日)・宵宮(10月24日)・本祭(10月25日)の3日間です。
※山鉾の説明は亀岡祭山鉾連合会のパンフレットを参考にしています
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鍬山(くわやま) 曳山
丹の湖であった亀岡盆地の南端の黒柄山に降臨し、一艘の樫船にのって浮田の峡(保津峡)を鍬で開削し肥沃な耕地を造ったとされる丹波の開拓神、鍬山大明神(大己貴命)が鍬をもって立つ姿を御神体としています。
現在伝承されている懸装品の大半は、文化8年(1811)に新調されたものです。「黄羅紗地西洋花文様捺染」の胴掛幕は、イギリスのヴィクトリア朝時代の毛織物で東インド会社による交易でもたらされたものです。
見送の龍のデザインは、祇園祭の長刀鉾の懸装品に似ていました。
鍬山見送↓
長刀鉾懸装品↓
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八幡山(はちまんやま) 曳山
永万元年(1165)に氏神である鍬山神社の御神体山である天岡山に降臨した誉田別尊(応神天皇・八幡神)を御神体としています。宝暦13年(1763)に舁山として建造されたことが記されています。天保12年(1841)に現在の曳山に改装されました。
金箔を押した日輪を鉾頭とする真木には、風流造山の題材となった八幡神が降臨した姿に由来して、弓矢を飾り付けています。
武内山(たけうちやま) 曳山
「古事記」や「日本書紀」では、景行天皇から応神天皇の五代に使え古代ヤマト王権を支え、360歳の長寿とされる武内宿称が、神功皇后の三韓遠征後宇佐宮で出産した応神天皇を抱いた姿を御神体としています。
寛政11年(1799)の記録では「三ツ車」との記載があることから、滋賀大津祭りの曳山のように三輪形式の時もあったようです。
文政12年(1829)新調したさい、祇園祭の蟷螂山の旧材が使われたそうです。
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三輪山(みわやま) 曳山
大和国の三輪山麓に鎮座する大神神社の祭神である大物主神(大国主命)をご神体としています。明神鳥居の両脇に小規模な2つの鳥居を組み合わせた三ッ鳥居は、三輪山鳥居ともよばれ、大神神社拝殿の奥に建てられ、そこから御神体山を拝む古代祭祀の形態を残す大神神社独特の鳥居形式です。
稲荷山(いなりやま) 舁山
五穀豊穣、商売繁盛、福徳開運の神である稲荷神が稲穂を天秤棒で担ぐ姿をご神体とする稲荷山は、「稲荷山御装束」の箱書き銘により、寛延4年(1751)頃に舁山として建造されました。
高砂山(たかさごやま) 曳山
能楽や謡曲の演目で知られた高砂を題材にした風流造山で、相生の松によせて夫婦愛と長寿を愛で、人生を言祝ぐ吉祥を表し、「尉」と「姥」をご神体としています。
蛭子山(えびすやま) 舁山
釣り上げた大きな鯛を抱えた豊満な恵比寿(蛭子)像をご神体としています。蛭子山は、水引幕の墨書銘から寛延4年(1751)頃に舁山として建造され、明和2年(1765)の行列帳にも「夷山」として記載されています。
浦島山(うらしまやま) 舁山
浦島伝説を題材にした風流造山で、ご神体は釣竿を持った浦島太郎と亀で表されています。行列帳によると明和2年(1765)頃には建造されていたことがわかります。
難波山(なんばやま) 曳山
能楽の難波を題材にした風流造山で、応神天皇の時代に「論語」「千文字」すなわち儒教と漢字を伝えたといわれる王仁をご神体としています。明和2年(1675)の行列帳には舁山として記載されていますが、「引き山記」によると寛政11年(1799)に曳山として改装されました。
羽衣山(はごろもやま) 曳山
三保の松原に伝わる天女伝説を題材とした能楽や謡曲の演目である羽衣に基づいた風流造山で、地上に舞い降りた天女を白龍という漁師の二体をご神体としています。
昭和初期に、老朽化等により部材の大半を失い、飾り山となっていました。平成11年に、お囃子方が復活、平成14年に鉾の躯体を復元新調(130年ぶり)されました。山鉾最大の大きさ。
翁山(おきなやま) 曳山
能楽の演目「翁」を題材とした風流造山で、黒色尉と白色尉の面をご神体としています。「翁」は、別名「式三番」ともよばれ、子孫繁栄、国家安穏、五穀豊穣を祈る祭儀的な意味合いを持ったもので、正月や祝賀に演じられる演目の冒頭に演じられることから、翁山は宝暦(1751~1764)の末までくじ取らずの1番山として巡行していました。文政12年(1829)の再興まで一時期途絶えてしまった。
亀岡祭の宵々山は、祇園祭の宵々山とくらべて、人も少なく地元のお祭りといった感じでした。10月の夜とあって、涼しく見やすかったです。
山鉾は11基ありますが、「あんどんの路」がつくられており、導かれるように山鉾を見学できました。
あんどんの路↓
他にも、祇園祭の宵々山の屏風祭のように、鎧や着物も飾られていた↓
形原神社では太鼓や鉾囃子の演奏↓
電車:JR 京都駅 ⇒ 亀岡駅(乗車時間約20分)
バス:京阪バス 桂駅東口バス ⇒ JR亀岡バス停(乗車時間約40分)
京阪京都交通公式ホームページ:桂駅東口 – 時刻表案内 1系統・2系統(芸大前経由亀岡駅前・保津川乗船場前)
日 | 行事名 | 場所 |
10月1日 | 吉符入り(神事始め) 氏子領境八箇所御斎榊立て |
鍬山神社参拝 鍬山神社 |
10月5日 | くじ取り式 | 亀岡市議場 |
10月18日 | 御神輿飾り | 鍬山神社 |
10月20日 | 神幸祭(おいで祭り)・形原神社御旅所祭 会所飾り |
各山鉾町 |
10月23日 | 宵々山 | 各山鉾町 |
10月24日 | 宵宮 | 各山鉾町 |
10月25日 | 本祭 山鉾巡行 還幸祭(大祭) (御神輿お山入り)午後 |
旧 城下町一帯 氏子町一帯(午前中) 鍬山神社 |
10月26日 | 御神輿仕舞い | 鍬山神社 |
10月31日 | 奉賛奉告(神事済奉告祭) | 鍬山神社参拝 |
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