堺町御門から南東方向に十数分歩くと京都ホテルオークラが見えてきます。
京都市役所(写真左手前)と京都ホテルオークラ(写真奥)↓
京都ホテルオークラの建っている場所は、かつて長州藩邸があった場所で、今ではホテルの敷地内に長州藩士桂小五郎の像が建っている。
桂小五郎像↓
桂小五郎は、”八月十八日の政変”以来、武力で京都での復権を目指す長州藩内の強硬派に反対していた。
天竜寺に陣を構えていた強硬派の来島又兵衛は、桂小五郎に対し「長州藩士の風上にも置けぬ臆病者」と使者を送っている。
1864年7月19日ついに蛤御門の変がおこる。
蛤御門の変がおこる直前、加賀藩兵が長州藩邸を取り囲んだが、桂小五郎はその前に藩邸を脱し難を逃れる。
なぜ加賀藩兵?
それは、長州藩邸より道を挟んで隣に加賀藩邸があった為であろう。
京都ホテルオークラから御池通を挟んで高瀬川沿いに加賀藩邸の石碑が建っている。
加賀藩邸跡↓
この後、桂小五郎は乞食などに変装しながら幕軍の追ってをかわし、なんとか長州に帰ることができた。
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第一次長州征伐の時は、家老の首を差し出し討伐は受けなかったが、第二次長州征伐の時は中国・九州・四国の諸藩を使い四方から長州に攻め入ろうとしていた。
桂小五郎は、この長州藩存亡の危機に大村益次郎(村田蔵六)を総司令官に推す。
大村益次郎とは誰だ?
藩内には、大村益次郎の存在すら知らない人もいる。
それもそのはず、大村益次郎には兵を率いたことがない、それどころか蘭学を学んだ村医でしかなかった。
『大村益次郎(1824-1869)
周防国吉敷郡鋳銭司村の村医の長男として生まれる。
緒方洪庵の適塾で蘭学を学び塾頭まで勤める。
伊予国宇和島藩・幕府の講武所教授に雇われ西洋兵書の翻訳などの仕事をする。
1860年長州藩に呼び戻され長州藩士となり、村田蔵六から大村益次郎と改名。
第二次長州征伐では、石州口方面で指揮をとり、700人余りの農民兵で数千の幕軍を撃破。
上野戦争では官軍を指揮し彰義隊を一掃、兵站参謀として戊辰戦争終結に尽力。
1869(明治2)年、京都三条木屋町の宿で襲われ死去。』
司馬遼太郎は、”司馬遼太郎の日本史探訪”で大村益次郎の事を
『明治維新は、いろんな政治家・志士・思想家がたくさん出た時期で、幕末から維新にかけて、まあ人材は豊富だったわけですな。
ところが、実際、革命政権が成立し反革命勢力を軍事的に平らにしなければならないという時になると、必要なのは、司令官、つまりゼネラルの才能のある人間です。
今の時代でも、音楽家とか画家とか作家とかいうのはいくらでもいるわけですけれど、いつの時代でもいるそういう才能の中で、一番少ない才能が、この軍事的才能です。
これは普通一つの民族の歴史の中で四人か五人、歴史の中にいれば多いほうです。明治維新成立の時に、たまたま長州から趨勢のごとくそういう人間がでてきたのです。
司馬遼太郎の日本史探訪』
と書いている。
大村益次郎は、軍事的天才であるけれど、天才である分普通の人とは少し変わっていた。
「お暑うございますね」と言われたのに対し大村益次郎は「夏は暑いのが当たり前です」と言って返す。
この徹底した現実主義・合理主義の性格が災いし1869(明治2)年京都の木屋町の宿で刺客に襲われ生涯を閉じる。
三条木屋町、高瀬川のそばには大村益次郎・佐久間象山遭難之碑が建っている。
大村益次郎・佐久間象山遭難之碑↓
近くの説明では
『大村益次郎・佐久間象山遭難之碑
佐久間象山は、信州松代藩の出身で、儒学や朱子学をい修め、西洋科学の導入で日本の殖産興国に尽力しました。開国論を唱えて公武合体に努めたため、刺客に惨殺されました。
大村益次郎は長州藩出身で、医学を梅田幽斎に学び、さらに緒方洪庵の適塾でも学んで兵学者となりました。
長州藩の軍事指導者として活躍し、その功績から維新後、兵部大輔に任命され近代兵制樹立に尽力しました。
しかし、廃刀論で士族の反感を買い、明治二年に三条木屋町にて反対派士族に襲われ、同年敗血症で死去しました。』
と書いてある。
ちなみに佐久間象山の暗殺は、大村益次郎暗殺より5年前(1864年)になる。
この場所から高瀬川に沿って北に歩いて行くと、こちら(かつて長州藩邸があった場所)にも佐久間象山遭難の碑・大村益次郎遭難の碑が建っている。
佐久間象山遭難の碑(右)・大村益次郎遭難の碑(左)↓
大村益次郎には、天が明治維新をおこす為送り込み、その役目が終わると速やかに召されたような印象が残る。
大村益次郎を主人公にした花神は、非常に面白くてオススメです。
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